独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年4月、ネクスト21、東京大学、理化学研究所などの研究チームが開発した
「3Dプリンターでカスタムメイドの人工骨を成形する技術」の薬事承認(製造販売承認)を申請しました。
審査には10カ月程度かかり、2015年には実用化の予定です。
ネクスト21は承認後、日本で製造したカスタムメイド人工骨の国内での普及とともにアジア市場への輸出も計画しているそうです。
骨の欠損や変形の移植は日本においては自家骨移植(自己の足や腰の骨を成形し移植)が多いですが、患者への新たな外科侵襲(生体を傷付けること)や成形作業の難しさ、
手術が長時間に及び、合併症の発生率についても問題がありました。
海外では献体された死体から摘出された骨を保管して流通させるボーンバンクがありますが、倫理的問題や感染のリスク、成形作業の難しさなどが課題となっていた。
また、熱処理によって焼結した人工骨のブロックから工作機械で削り出して成形するカスタムメイド人工骨を使う方法では、焼結に耐える素材では骨との癒合が難しく、
炎症を起こし表皮から露出するなどの問題がありました。
今回開発した熱処理が不要な3Dプリンターによる人工骨は自骨への癒合も早く、時間経過で白骨に変化(骨置換)するのが特徴で、
骨内部構造の設計・成形も実現し、さらに0.1mm単位での形状を再現します。
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